で、夕凪の街 桜の国のもう少し突っ込んだ感想

12日に携帯からとりあえずの感想アップしたけど、色々とその後思いついたことを手短に書いてみたい。

まず、昭和30年代復興したばかりの広島の町並みのセットが素晴らしく、この点は満足した。


自分が小さいときは昭和40年代終わりから50年代半ばだけど、
まだ昭和30年代頃の風景の名残がそこかしこに残ってて、懐かしさを覚えた。


広島に住んでた訳じゃなんだけど、似たような家屋結構あったね、
漁師さんの家とかあんな感じだった。


で、まあ、そういうところには満足を覚えるんだけど、登場人物の設定には少々の違和感があった。


七波(田中麗奈)と皆美(麻生久美子)は性格似てるって旭(堺正章)はいうけど、原作では表現されてた皆美のお転婆な(というか元気で前向きなかな?)面がほとんど描写されずに何となく引っ込み思案で、暗めな性格に描写されてた所。


あと、正直な話スラム街に住んでて裕福とは言えない暮らしなのに、それを物ともしないで、楽しく暮らしてる風にも採れる描写が上っ面だけ描かれてる所とか。


だってさぁ、結構服とかこざっぱりしてたし、靴も結構新品ぽいの履いてたしなぁ。
貧乏だと靴がぼろぼろになっても、なおしながらぶっ壊れるまで履くからなぁ。>俺のことか?


ちょっと脱線、話を戻して


で、まあ姉妹が三人姉妹でなくて二人姉妹になってたのは悲劇を分散させない為だろうということと、キャスティングなんかが面倒だったのかねぇとか邪推できるのでよしとするけど、一番改変されていやだったのが、弟が来るまで目が見えてて、それから最後を迎えるところ。
あれはちょっとお涙ちょうだいねらいすぎだと思った。


あの目が見えなくて、誰か判らないけど七波の手を握ってくれる、暖かさを覚えてる人の手(打越氏の手のことだろけど)を淡々と描くことで、運命の非常さを現した場面が改変されて、かき消されたのは、正直な話やめて欲しかった。


まあ、でも激しく泣きそうになったんで、ドラマ造りという観点から見ればあたりなんだろうけど。


ちなみに観客の年齢層は結構高めだったけど、クライマックスシーンで泣く人続出してたなぁ。
鼻水すする音とか、泣いてる声とか周り中から一斉にしてたし。
自分も必死で我慢してたけど、家ならボロ泣きだったね。


あとこの手の作品としてはあんまり変な思想的偏向っていうかメッセージが感じられず、中学時代に日教組の先生のせいで激しくアレルギーになった自分にも大丈夫だった。


と、まあ結構けなしたけど原作そのまんまじゃなきゃ嫌っていう人以外には薦められる作品だと思う。


なによりもソフトな表現で原爆の被害にあった人たちの苦しみ悲しみを伝えてて、
好感の持てる作品で、見に行ける人は是非見て欲しいと思った。


で、まあ、ここからは余談だけど、この作品に出てくる旭の若い頃を演じる俳優さん、
高校生くらいかと思ったら30歳なんだねぇ。


なんか、背広が似合わない童顔な人だった。


で、打越氏を演じる人は、たまに雨上がり決死隊の宮迫に見えて映画館で笑いこらえたくなったんだが…


えー、あと京花役やってた子役の女の子、
なんか全然とろくさそうに見えない可愛くて利発そうな子だったんですけど。


まあ、リアル鈍くさい女の子は可愛くて利発そうでも、
変なところでこけそうになったりするからねぇ。
…誰のことかは秘密だw


で、まあいいお話だったんで、今度はDVDレンタルできるようになったら、
借りてきて部屋で観ながら思う存分泣こうっと(おいおいw)