クシエルの矢1 八天使の王国読んだ

クシエルの矢〈1〉八天使の王国 (ハヤカワ文庫FT)

クシエルの矢〈1〉八天使の王国 (ハヤカワ文庫FT)

本屋で見かけて裏のあらすじ見てつい買ってしまったけど、思ってたより面白かった。
設定が中々凝っていてどう考えてもキリスト教に喧嘩売ってる聖エルーア様と天使のナーマー様の伝説とか、そのエルーア様に仕えた天使の性癖に倣って作られた公営娼館にいる神娼の設定とか、主人公が生まれながらのドMとか、国の王族や貴族や神娼が全員美形設定とか、主人公を引き取る謎の貴族とか、どう考えても普通の作家が書いたら単なるエロ小説になるところを、権謀術数渦巻く宮廷小説になるのが面白い。
あと登場人物も中々印象的な描写だし、中世から近世あたりのフランスとイタリアの歴史をちょっとかじってると面白いのでその辺の時代の歴史小説好きな人にもお勧め。


いやあ、あと感想ググってみたらエッチな描写にやたらと言及されてるので未読の方はそこまで凄いのかと思われる方もいると思うけど、さすがに自分は中高生じゃないので興奮はしなかった、でもまあ自分が中高生の頃読んでたら真面目な顔してハァハァ(設定とエッチな描写に)してたと思う程度にはエッチな描写だと感じた。


とりあえず、アメリカでの1冊を三分冊にするそうなので最低でも後2冊は読むのが楽しみな小説だったり。(ちなみにアメリカでは6冊既刊、7冊目が今年出る予定だそうで、この調子なら最低21冊買わなきゃいけない予定)
そういえば近頃の早川書房のファンタジーは鉄のエルフといい、これといい妙に表紙に凝ってるなぁ。なんかラノベっぽくなったというか若い読者取り込むために表紙の絵柄が昔よりも可愛らしくなったような気がする。