魔法少女まどか☆マギカ[新編]反逆の物語(ネタバレ)

寄った勢いで書く。ネタバレ上等もしくは見た人限定


































反逆の意味を噛みしめたい作品


戦いのシーンはガンカタっぽいのもあるが、そこを超えた描写があり、アニメーションの美点を感じた。























話の内容的には、本編の続きであるがぱっと見、そうとは思えないようなはなしが進み、違和感を覚えたところから、話の核心に進んでいく。

魔女やナイトメアの異物感が異界に迷い込んだように思わせるのが!テレビ版よりもはるかに強く感じられて見もの。
世界の描写も違和感を覚える部分はうまく超現実的な描写をうまく使い、異物感を表している。

ストーリーは基本的にさほど難しいものではないが、ドンデンがえしの後からくる謎がどんどん明かされていく疾走感が素晴らしいと思う。


内容的には、
この劇場版の主役はほむらであり、他の登場人物は彼女の行動を説得するための道具である。
ただ、テレビや編集された前作の劇場版を見ていると、道具なのが許せる描写で、
まどかの無償の善意からくる行為とほむらの迷った末の行為の違いが対照的な作品
ほむらはまどかの為を思って行動するが、どこかに利己的な愛があるため、対象となるまどかが去ったあと、向ける愛をぶつけられずに溜め込んでしまい、重く歪めてしまう。
また、本来なら一人で抱え込まずに行かねばならないことすら抱え込んだため魔女化したものと思われる。

対照的な2人は最終的に相手を思いすぎて変化する存在が神と悪魔であるように相手が見えているか見えていないか、相手の感情に応え過ぎて発散できているか否か、そこの違いで歪んでいるように感じた。

アガペー的愛がまどかの愛なら、どこか自分が掛けた藍の分だけ相手も愛をくれるだろうという利己的な思いのエロスを含んだものがほむらの愛なのかと(^_^;)

ただただまどかの愛を誰にも渡したくない、だから歪んだ愛を育てて結果的に世界の理を変えて自分は悪魔と化したほむらと、全ての魔法少女の過酷な運命を変えるために孤独な神となってまで、世界を変えようとしたまどか、どちらも自分の願いを溜め込んで世界の外に出た少女の物語だと思われる。
ただ、願いの根本が一人のためか、万人のためかで別れてしまった2人の運命は残酷だが美しいと思う。

ただ、二人の最終的な着地点は違ってもその溜め込んできた因果の重さ故思いが大きく、世界の因果律も変えて存在し続ける2人は過酷で孤独だ。

タガが外れたほむらの病んでいるが、悪魔的なうつくしさの描写にゾクッとしてしまう。
健康的で他人を信用し、包み込むまどかの健康的な描写と対照的で素晴らしい。

コゼットの肖像のようにあまりにも好きであるため、逸脱した人物の描写が凄く、一度では全体を掴みきれない。
何度か見直していきたいと感じた。

個人的には大満足だが、テレビ版を見ていない人には分かりづらいのが難点。
ただ、そこを差し引いても、前作(テレビ版及び再編集された前作の劇場版)を見てこれを見れば面白く感じるので、両方見て欲しいと思う。